顧客起点マーケティングを読んで、ブランディングに対しての考え方や定量定性のすみ分けなどがすっきりしたのでまとめてみた。また、SNSに置いてどう考えていくかについても。
N1に絞り込む
今データがより取れるようになっているので定量的な分析に重きをおかれがちでそれ自体はいいけどあえてN1に絞り込むことによってユーザーが何を考えてどういう動機でプロダクトを使っているかがわかる。
データはユーザーの割合とどこで落ちているか、どこが盛り上がっているかなど全体図の把握には非常に優れているがなぜそれが起こっているかなどには弱い。場所はわかるけどその場所で何が起こっているかはわかりにくい。
N1分析でユーザーにインタビューすることでそこで何が起こっているかの分析を行う。
顧客起点マーケティングの流れ
顧客起点マーケティングの流れは下記
- 顧客ピラミッドでユーザーをセグメントで分ける。
- さらに9セグマップ分析でロイヤルユーザーかどうかを分ける。ここでのロイヤルユーザーとはブランドに対して価値を感じているか。次も同じブランドを買いたいと思ってくれているかどうか。
- セグメントごとのN1インタビューを行い、プロダクトアイディア、マーケティングアイディアを出す
- そのアイディアのヒット率を分析し、優先度を決める
定量的な分析でマップを作り、各ステータスごとのユーザーにN1インタビューを行い、定性的なニーズを探る。アイディアはプロダクトアイディアとマーケティングアイディアに分ける。プロダクトアイディアはその事業自体のアイディアでコミュニケーションアイディアは認知、販促するためのアイディア。必ずプロダクトアイディアが主になりマーケティングアイディアは従になる。
ブランディングの位置付け
この本で面白いなと思ったところはちゃんとブランディングも論理的に考えていることでブランディングは結構いろんなところでフワッとした考えで動かされがち。西口さんすごいなと思うのは9セグマップ分析でブランディングを下記目的でちゃんとトラッキングしながらやろうと言っているところ。
- 認知拡大
- ロイヤル化
マーケター、代理店によってはこの辺をうやむやにして逃げ切ろうとしている人も多いのですごいなと思った。
消費財とwebサービスの違い
ロイヤル化の定義もなるほどなと思って、よくロイヤルユーザーを頻度の高いユーザーと定義しがちだが、ここでは次に購入したいと思ってくれているかをさす。ロイヤルユーザーというのは他のブランドに移行しないユーザーをさす。消費財だと想像しやすいがスーパーに並んでいるから単純に買っているだけという人も多い。横に違う商品がおかれるようになったらそっちに流れるというユーザーはロイヤルではない。
webサービスはこういう流通での機会損失が少ないためまた事情が変わってくる。amazonはこういう買いやすいから買っているという層を奪っていっているとも考えられる。
SNSにおけるマーケティングアイディア、プロダクトアイディアとは
僕がよく携わっているSNSサービスの領域でいうとまたいろいろ変わってくる。そもそもプロダクトアイディアというものの定義が難しい。SNSは中にいるユーザー、そしてそのユーザーのコンテンツでプロダクトが変わってくるのでサービス側でコントロールできる範囲とユーザーに委ねないといけない範囲を意識しないといけない。
個人的な現時点の認識ではSNSにおけるコントロールできるプロダクトアイディアは
- 投稿フォーマット
- 導線整備によるコンテンツなどの文化形成
- 投稿のしやすさ
でコミュニケーションアイディアは
- SNSシェアなどのスムーズさ
- 頻度高くきたくなる機能
かなと。逆にコントロールできないプロダクトアイディアは
- ユーザーの投稿
- ユーザー層(ある程度はできる。広告で強めたい層に集中するなど
かな。よくあるのは投稿ツールをよくし、初回モチベを上げ、反応を可視化してリテンションを高める。投稿フォーマットは他社との差別点として大きく働くと思う。
クーポン機能は接触頻度を高めるための施策
スマートニュースにおいてはクーポンチャンネルがプロダクトアイディアであり、頻度を高めるコミュニケーションアイディアだったらしい。ちょっとニュースと離れてないかなと思ったけど確かに開く理由にはなるし、ちゃんとメインのプロダクトアイディアであるメインフィードを通ように設計されているらしい。
スマートニュースのニーズであるニュースなどの情報をワンストップで手に入れるの文脈からすると現在スマートニュースにある天気情報の方が頻度、文脈的にもあっている気はする。