最近マーケティング関連の本に集中して読書していて顧客起点マーケティングを読んだ瞬間それらが体系的にいろいろつながったなあと思ったのでちょいまとめてみる。
プロダクトとマーケティングは結局ニコイチだった
一番根幹となるのは結局マーケティング単体で考えることは無意味だなーということでプロダクトとマーケティングはニコイチで考えないといけないということ。前から広告は一番最初のUXだよなーとか思ってたけどその次元ではなく、マーケティングをコミュニケーションと定義し直してプロダクトの仕組みの中にどう入れるかが重要だなと思った。
顧客起点マーケティングにおけるコミュニケーションアイディアとプロダクトアイディアだがこれは一緒に考えないといけない。その考えを持つと他のマーケティング関連の本も体系的に考えられるようになった。
マーケティング全体像
- プロダクトアイディアとコミュニケーションアイディアの定義
- 顧客起点マーケティング
- プロダクトのアイディアの考え方
- ジョブ理論
- 顧客起点マーケティング
- コミュニケーションアイディア(マーケティング)の方法論
- ハイパワーマーケティング
- 不変のマーケティング
- 顧客起点マーケティング
- (実践編として)アフターコロナのマーケティング戦略
- webマーケにおける方法論
- 販促の設計図
- デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?
- クリエイティブ面
- 予想どおりに不合理
- 不変のマーケティング
- ファスト&スロー
- マーケティングを組織で行う
- USJを劇的に変えた、たった一つの考え方
上記が今のところマーケティングの全体像とそれぞれ参考になった書籍。
プロダクトアイディアとコミュニケーションアイディアの定義からプロダクトアイディアの考え方について
まず顧客起点マーケティングから始まり、プロダクトとそれを伝え、書いたいと思わせるコミュニケーションには別のアイディアが必要という前提で考える。プロダクトアイディアの考え方は顧客起点マーケティングでもだいぶ詳細に書かれているけどジョブ理論がすごくよかった。ざっくりいうと機能ではなくジョブをユーザーに提供しているんだよという話。この本ではシェイクは実は朝の運転中に小腹をみたすジョブをかなえていてそれを満たせばシェイクじゃなくていいという話が書かれている。
コミュニケーションアイディア(マーケティング)の方法論
で、プロダクトアイディアを考えつつどうそれを広め、購入してもらうかは
- ハイパワーマーケティング
- 不変のマーケティング
あたりもよかった。結構この二つは言ってることかぶっているなあと思わなくもない(全額返金保証のくだりなど)けどリスクをどこに持たせるかやどう接点を持ち続けてコミュニケーションしていくかなど参考になる。
アフターコロナのマーケティング戦略は顧客起点マーケティングの西口さんの著書だけど具体的な論点について顧客起点マーケティングの考え方などと照らし合わせて考えていて実際どう使うのかをみるのに非常にいい本だと思う。顧客起点マーケティングの次に読むと非常に分かりやすい。
webマーケにおける方法論
webマーケの方法論に特化すると
- 販促の設計図
- デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?
この辺が良かった。何かの施策単位で見るというより全体像をどう設計していくかの話で方向性は似ているので一緒に読むと理解が深まる。結構最初テクニック論かなと思ったけどそれぞれのユーザーのステータスにおいてどう媒体を指していくかを設計しようという本なので寿命の長い知識なのかなと思う。
少しSaasよりというかtoBの人の方がすぐに使える感じがするが考え方自体はtoCも同じ。
クリエイティブ面
ここはクリエイティブというよりセールスライティングとかになってくるが主に行動経済学周りの話になってくる。下記が面白い。
- 予想どおりに不合理
- 不変のマーケティング
- ファスト&スロー
めちゃくちゃ荒くまとめると
- 人は相対的に価値を判断するので基準を自分たちの優位なところにずらすのが重要
- 権威性をうまく使う
などなど。
ブランディングについての考え
今までマーケティングの中でもブランディングの役割をうまく自分の中でこれだと言語化できていなかったが顧客起点マーケティングでロイヤル化を購入頻度ではなく次回買いたいかというブランドによる信頼と定義し、ブランディングをそのロイヤル化のためと置いていたのが一番しっくりきた。
と、考えた時多くの人がブランディングと認知を混同している気がするし、多くのブランディング施策が認知を広げるで終わっている気がする。本来はそのブランドの商品を次も買いたいと思わせないとブランディングとは言わない。
toBとtoCの違い
マーケティングを体系的に勉強する中でtoBとtoCの違いもわかってきた気がする。今のところ下記かなと
- 営業がいないtoCにおいてはコミュニケーションアイディアが内包されたプロダクトだと強い
- 営業を必要とするtoBの場合、どの地点で営業に渡すかが大切
toCだと営業を入れることがコスト的に難しい。この営業があるかないかでマーケティングの設計図は大きく変わってくる。全自動でやらないといけないtoCにおいて継続的にユーザーと接点を持てる仕組みづくりが重要になる。そこに広告費をかけるのも一つの手だがLTVが低いビジネスモデルの場合それは難しく、プロダクトの仕組みに内包させる必要が出てくる。
営業がいないtoCにおいてはコミュニケーションアイディアが内包されたプロダクトだと強い
顧客起点マーケティングでスマートニュースはニュース以外にもユーザーと接点を持てるようにクーポンチャンネルを開設し、ニュース以外にクーポンという接点を作ったという話が出てくる。このようにプロダクトに接点を作る仕組みを内包させられるとtoCでは強い。
ただニュースとクーポンはちょい強引な気はしなくはない笑。ジョブ理論的にスマートニュースのジョブをニュースをみるではなく、
「一日に必要な情報を一気に取得できるサービス」
とすると天気で頻度を増やすのは非常にプロダクトのコンセプトにもあっている。多分その後ぐらいに雨雲レーダーは付いたんだけどこっちの方が納得感はある(ただし、遠いからこそ今まで獲得できていない伸び代がクーポンの方がデカイとも言える
営業を必要とするtoBの場合、どの地点で営業に渡すかが大切
toBで営業を必要とする場合、どの地点でwebマーケから営業に渡すかで大きく設計が変わってくる。資料請求時点から営業に渡すのか課金まで行わせるのか。最終的なCPAはその引継ぎ地点で変わる。この考えはtoCにはない。
マーケティング組織論
森岡さんの「USJを劇的に変えた、たった一つの考え方」はマーケティングを組織でどう行っていくかを書いた本の中ではすごい良かった。これは顧客起点マーケティングにも通じるが結局マーケティングを販促で止めると大きな成果はなく、プロダクトに落とし込まないといけない。そうなると組織のほとんどをマーケターがカバーすることになる。その際の組織運営についてまとめられている。
マーケティングに限らず組織の各部署がなぜ部分最適になるのかまでまとめられているので普通に組織論の本としても面白い。