狙うべきニッチと狙ってはいけないニッチ

狙うべきニッチと狙ってはいけないニッチ

ニッチな市場を独占しようみたいな話はよくあるけど本当にそうすべきなのかなあと最近考えていてその違和感が狙うべきニッチと狙ってはいけないニッチがあるからなんだなと思ったので思考をまとめてみる。

なぜニッチを狙おうという話が出てくるのか?

ニッチな市場を独占しようみたいな話は下記のメリットがあるからだと思う

  • 大企業が参入してこないブルーオーシャンだから
  • 小資本でも独占できる可能性がある

このメリットは実際あるが多くのニッチが実はこのメリットがあるようでないニッチだよなと考えている。

狙うべきではないニッチとは?

まず

  • 大企業が参入してこないブルーオーシャン

なんで大企業が参入しないかというとわざわざ参入しても売上のアップサイドがしれているからでそこは確かに中小企業にとって狙い目ではある。ただwebサービスの場合、もしプラットフォームの事業でカテゴリごとに攻めようとしているなら気をつけないといけなくて総合プラットフォームがカテゴリをカバーするのは意外と簡単である。

クラウドソーシング 市場も最初はイラストのコンペに特化したものやロゴや開発案件に特化したものなどがあったがクラウドワークスにカバーされていった。フリルもアパレルに最初特化していたがメルカリにカバーされていった。webサービス、特にプラットドーム事業の場合、ただ大企業が参入していないというだけじゃなく、そのカテゴリがある特殊な事情で別のフォーマット、プラットフォームだからこそ便利じゃないと遅かれ早かれ飲み込まれる。

ニッチを独占するメリットは第一想起?

二点目の

  • 小資本でも独占できる可能性がある

だが、そもそもなんで独占する必要があるかというと第一想起を取れるのが強いなあと思う。何かをしたいと思った時に一番最初に思い浮かぶのはその業界の1位であることが多い。

では逆にいうとニッチというのはその何かをしたいの分類でないといけない。例えばヘッドが2つある歯ブラシはニーズ自体がないからその想起を取れても意味ない。ヘッドの小さい歯ブラシは奥歯が磨きやすいのでニーズがあり、そこで想起を取れたら強い。

しかしこのニーズにもプラットフォームの話同様、内包されてしまうものだと大きい方に負けてしまう。例えばメルカリもそうだがアパレルを売りたいよりも何か物を売るときはメルカリという想起をとった方がニーズを内包されているし、思い返す回数が多いのでどうしても強い。

人の想起はだんだんに狭まっていくのでできるだけ手前で広く取れていた方が最終的に残る気がする(これは感覚値だが)

狙うべきニッチ

では逆に狙うべきニッチってどこなのかというと下記だと思う。

  • 総合プラットフォームが内包できないカテゴリ、ブランド
  • 現在は小さいが後々大きくなるニッチ

総合プラットフォームが内包できないカテゴリ、ブランド

まずわかりやすいのがD2Cなどのブランドでアパレルなどのブランドはそれぞれのイメージであり、一元的な物でないので内包できない。例えばユニクロのブランドがグッチの顧客層を内包するのは難しい。逆も。それはそれぞれが固有の意味合いを持っているから。

逆になんでも揃っているECは品揃えというある意味一元的な指標で勝負しているので総合ECは本などのカテゴリECを内包する可能性がある。

SNSでも壁を作る方法は実はあって、実名性のコミュニティであるfacebookが匿名のまざるtwitterをカバーするのは匿名性ありのコミュニティという観点ではない。どちらか二者択一だから。

現在は小さいが後々大きくなるニッチ

もう一つ狙うべきニッチは今は小さいけど後々大きくなる可能性があるニッチ。これは将来大きくなりたいならという条件付きだが結局会社は成長させたいのに将来的にも大きくならないニッチだと将来的に無理やりカテゴリを広げないといけなくなる。amazonの成功例はあるが基本的には難しい。想起を変えないといけないので以前のブランドがむしろ足枷になる。

ニッチにはまだ成長していないから今はニッチだけど将来的には大きなカテゴリになるニッチが存在している。今だとVRとかネットスーパーがそれに当たるかも知れない。

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