3rdpartycookieをgoogleがchromeで規制することを発表しました。appleもsafariで規制しており、この流れはかなり強いんじゃないかなと思います。なんでこういった事が起こっているのかと今後どうなっていきそうか考えてみた。
「米グーグル、ネット利用者の閲覧データ提供取りやめ」
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/06845/
何が起こっているのか?
そもそも日本だとそこまで実感沸かないかもですがアメリカやヨーロッパではめちゃくちゃプライバシーに関するIT企業への懸念が強い。EUのGDPRやユーザーの申立でザッカーバーグが政府から呼び出し食らったり。アメリカのニュースサイトなど日本よりcookieの許可をちゃんと取るところが多い。日本でもあるといえばあるがさすがにGDPRのような法律までやる流れではない。
こういった流れを受け、各IT企業は対応を迫られています。今回のgoogleのchromeのcookie規制やappleのsafariでのcookie規制がそれです。ただこれだけみてへー2社は素直に世論に従ってるんだなーって思うとちょいそれは違うんじゃないかなと思っています。なぜこの2社なのか、なぜブラウザなのか。
ここからは個人的な妄想の域ですがプライバシー懸念でなぜ他の箇所ではなくブラウザのcookie規制かというとこの規制がこの2社にとって痛くないからです。appleはそもそも広告収益をメインにしたビジネスモデルではないのでこのcookie規制の影響は小さい。じゃあ広告メインのgoogleはどうなのかというこれも影響は小さい。なぜならcookieで情報を取得しなくてもchromeから情報取得すればいいから。しかもこの二者はOSすら持っています。OSを持ってたら何がいいかというとこのプライバシー保護の世論で広告のために他社にユーザー情報を渡すのを規制しようという流れがcookieだけでなく、アプリ広告で使っている識別子であるidfaなどに話がいってもOSを持っているのでさほど影響を受けないでしょう。
appleはこれ目的じゃないと思いますが、googleはずっと昔からこの流れがきたときのためにできるだけ深いところでユーザー情報を取得するためにchromeを作り、androidを買収した可能性が高いなと思っています。(ただandroid買収はもちろんPCからスマホへのシフトなどもっと大きい理由もある)
世論の流れで変わってくる
googleがしたたかだなと思うのは上記の記事の下記で
>グーグルは、企業向けにクッキー利用に代わる個人分析の新技術の開発を進める方針も明らかにした。各企業は、新技術への対応も求められる。
これのおかげで
- 世論がidfaもやめろ!となってもOS持ってるので痛くない
- 世論が収まって他社がcookie以外の技術みつけました!となっても自社で新しい技術出してそれをデファクトスタンダードにできる
とどちらに転んでも対応できる。(本当にここまで考えてるか知らんが)
idベースでのターゲティングが主流に
今後1stpartycookieがプライバシー懸念、広告パフォーマンス的に強くはなるだろうし、idfaなどアプリ側のプライバシー懸念にも飛び火しそうだけどこの世論の流れは過渡期的なものな気もしている。
どちらにせよアドネットワークは自社で媒体、ユーザーデータを持っていないところは難しいので1stpartycookieによるターゲティングをまず考え、自社媒体以上にimpを増やすというオプションで他社に出す形になると思うが後者も重要なのでなくならないだろう。一定期間規制が厳しい期間が続き、自社媒体のimp量が少ないところは淘汰され、生き残ったところのみが規制が緩んだ世界で果実を独占できる。気がする。