運用型広告は特にそうだが広告を回す上でCPAの比較を始めとした効果検証は常にやっていると思う。過去の検証により当たる可能性が高い施策と、過去に試していなくて効果を見たい検証施策があると思う。この割合をどう考えていくかが難しいなと思っていて、というのも新しい検証分は効果が低い可能性があるのでこの割合が常に高いと実際のCPAは悪くなる。検証頑張りすぎて全体のCPA高くなったとなると本末転倒なので今回どれくらい検証に回すのかの考え方についてまとめてみた。
前提として広告は飽きられる
そもそもなんで新しいクリエイティブを検証しないといけないかというと広告は前提として飽きられるのでクリエイティブを変更していかないといけない。広告運用は基本的には常にクリエイティブを変えていくがその当たり率をいかに高められるかが勝負になる。
新しいクリエイティブを開拓しないといけないけどやりすぎるとコスト高に
ただ、新しいクリエイティブを試せば毎回100%成功するという状態にはならない。難しいことに。なので常に当たらないリスクがあり、この検証幅が広いとコスト高になる。
広告の検証要素
そもそも広告の検証する要素は決まっていて下記になる
- どのユーザーになんの訴求を当てるか
- 媒体(ターゲティング)
- 訴求方法
- 文言
- 画像、動画
- フォーマット
1のどんなユーザーというのは2の媒体と密接に関係している。ほぼほぼ同じだけどあえて分けているのはユーザーは複数媒体にいるのでどのユーザーというのが必ずしも同じ媒体である必要はないから。
1は正直プロダクトにおいてそこまで常に変化するものではない。またここが見えると2と3は自然と狭まってくる。
常に検証すべきところとそうじゃないところ
実は上記に分けると検証すべきところとそうじゃないところは結構分かれている。1は初期に試してそれ以降ほとんど検証する必要回数は減ってくる。1をかなえるために2と3をチューニングするといった感じ。
2もwebに関していうと媒体自体は限られているので媒体選定というより内部の運用になってくる。
3は常に変えていかないと飽きられてしまうので回数は常に多い。
つまり検証は1、2を初期にリストアップし、調べていき、効果のいいものを3中心に深掘りしていく。そのあとは新機能などを出したタイミングでは1を検証するが基本回数、コストは減ってくる。3の割合をどれくらいにするべきかだがこれは在庫制限、許容CPAの基準によっても変わってくる
在庫制限の有無による検証の基準の変化
どれくらい3の検証をするかだが在庫制限のないもの。例えばデジタルデータの販売などだったら正直できるだけ多くのクリエイティブを検証し、それぞれ最小限の運用金額に設定し、うまくいったら運用金額最大化が一番いい。LTV>CACが成り立つならいくらやっても利益が出るので。このケースではとにかく多く回せるかというゲームになる。
一方、在庫制限のあるモデルだと限られたCV数の中でどれだけ利益幅を広げるかという勝負になってくるので検証の幅が重要になる。検証が必要なのは現在のクリエイティブが飽きられた頃に新しいクリエイティブで補いたいからなのでその分埋められるぐらいは検証したい。一方、金額は別に検証に必要なぶんでいい。CPA500円のクリエイティブが運用金額を増やしてCPA500円以下になることはまずない。
また、在庫制限がなくても資金に限りがある、例えばキャッシュフローの関係で使えるキャッシュに上限がある場合もその上限内でいかに利益幅を広げるかになる。大抵はキャッシュに上限があるので上限金額内で利益幅を広げるゲームになる。
与沢翼が情報商材を売っていた際に広告費用の支払いを売上の入金の後にすることでこのキャッシュフローの制限を超え、無尽蔵に売上をあげて行ったがそういうキャッシュフローの工夫とLTV>CPAの2条件でああいうとんでもないこともできる。
1仮説の必要検証コストについて
1仮説検証するのにいきなり大きい金額を運用する必要はないので少額運用からでいいと思うがその金額だったりに関しては難しい。物によって違うってのが前提にあるけど下記かなと思っている。
- 日によっての揺れはあるので2-3日以上の検証は必要。また運用型広告の学習期間もあるので最低それぐらいの日数は必要
- 媒体によって最低CV数があるのでそれを取れるように(facebookだとCV50以上など
- 曜日が関係する物だったら全曜日が入る7日間
検証と本番の入れ替えと検証の割合について
といろいろ考えてきたが上限金額が決められており、その中で利益幅を広げるための運用をする場合、検証の割合をどれくらいにしたらいいかだが
上記のように検証運用のいくつかが成功して本格運用になるので成功率から逆算して検証運用を回さないといけない。例えば検証したものの50%が成功して本格運用に回されるなら回したい量の2倍回さないといけない。ただ実際には本数ではなく運用金額で考えるのと本格運用のものがどれくらいの金額まで高騰せずに運用できるかは読みにくいのでそこまで正確には運用できない。
とりあえず頭に置いておかないといけないのは
- 検証は失敗分考えると多めに回さないといけないので検証本数自体は本格運用本数より多くなる
- ただし検証にかける費用は最低限なので金額ベースだと本格運用の方が1本あたりの金額は高い
という形になるのかなと思う。つまり検証の割合は本数で言うと過半数を超えるが金額で言うと低くなる。その具体的な割合は上記の考え方で運用して行ってそれぞれのいい塩梅を見つけるのがいいのかなーと。