広告業界図とこんなに複雑になった背景(広告主、媒体側横断)

広告業界図とこんなに複雑になった背景(広告主、媒体側横断)

広告業界ってめちゃくちゃプレイヤーが多く、複雑でわかりにくい。。。でも相手が業界内でどういう立ち位置で話しているかわかると交渉しやすいので業界図をまとめてみる。ちなみに広告主、媒体側横断でまとめる。

  • オレンジ色・・・実例
  • 青色・・・どういう関係か

広告主と媒体

まず大きな区分けとして広告主と媒体がある。広告費をだす側と掲載側。この二つに二分されて結構ここを行き来するキャリアを持つ人は少ないが一度でも両方経験するとすごく視野が広がるのでおすすめです。例えば媒体側を一度やっておけば広告主側にいった際にどこが媒体にとって安くても出せるのかなどわかり、値下げ交渉などしやすいです。

広告出稿の手段

広告出稿の手段は実は結構ある。媒体を指定するやり方でも純広告とPMPがある。またfacebook広告などに出稿した際に他媒体での配信も許可するとfacebook ads経由でfacebook以外の媒体に掲載されたりもする。(この辺は意識していない広告主もいるかもしれないが)

こんな形で広告主側のサービスで入稿できますよとなってたらもちろん出稿側もやっているので違う名前で媒体側に出ていることがあるが実はつながっている見たいなこともある。この辺もややこしい。

ややこしいDSPとSSPの違い

また広告業界でややこしいのがDSPとSSPで簡単に違いをいうと

  • SSP>媒体側の取りまとめを行うサービス。複数のDSPなどからきた広告の中で一番媒体の収益が高くなるように調整する。
  • DSP>広告主側の取りまとめを行うサービス。複数のアドエクスチェンジ、ネットワークを一元管理する。

上記な感じ。

「DSP、SSPの仕組みと特徴」

https://dmlab.jp/adtech/dsp.html

「【図解】いまさら聞けない「DSP」とは?~基礎知識編~」

https://www.innovation.co.jp/urumo/dsp/#:~:text=DSP%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81Demand%2DSide,%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82&text=SSP%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81Supply%20Side,%E3%81%84%E3%82%8B%E5%81%B4)%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

上記の記事が分かりやすかったです。

アドネットワークたちの争いとheaderbiddingとGoogleの関係性

上記の図を見てもわかるように媒体側のプレイヤーがすごく混雑している。特にADNWやSSPなど媒体に広告を出すネットワークが熾烈。彼らからするとどうやって媒体に自分たちの広告を出すのかという勝負になる。(広告を出すことができなければ売上が上がらないため)

ただこの世界はRTBのせいで非常に厳しく、効率が悪ければ表示されることはない。ただ仕組みをハックして優位に立つことはできる。まずそのハックに乗り出したのがgoogleで彼らはGAMとadexを出し、最初のファーストリクエストをもらうことに成功した。

このファーストリクエストというのは媒体から広告どれ出せばいいですか?というリクエストを最初にもらうことだ。これをもらうとそのリクエストの主導権を握ることができる。

アドサーバーというどこに振り分けるか決める幹事役に回ることによって自分たちの広告を出す可能性を上げて行った。

googleの対抗馬として出たheader bidding

googleがファーストリクエストをGAM(当時はDFP)でほぼ独占していたため他ADNWからすると本当にgoogleは公正に見ているのか?となってきた。そこで本当に公正に評価して振り分けれるようにheaderbiddingという仕組みで水平にリクエストを送り、全員の中で一番高いところを配信するという流れになった。

それまではGAMがウォーターフォールという形で最初にadsense(adex)で出せないか評価してそのおこぼれをADNWに渡すという形だった。

header biddingは広告業界総出のgoogle対策と言ってもいいプロダクト。

ADNWでは埒が明かないのでheaderbiddingに進出したamazon

ただこのheaderbiddingでもファーストリクエストの争奪戦はおこる。最初ADNWだったamazonもファーストリクエストを獲得するためにTAMとしてheader biddingに進出した。

amazonは自身のプライムセールの時にecpmが異様に上がるという特性があるので調整しなくても高い時だけ出せるheader biddingが相性もよく今では結構いいシェアをとっている。

本来黒子役のDMPの立ち位置

DMPはユーザー情報をためておいてターゲティングなどに活用するもの。facebookなど自社でユーザーデータを管理しているところは実質DMPを自社で持っているのと同義になる。

プライベートDMPはこのユーザーデータの管理を気軽に(そんなに気軽ではないが)できるというもの。

対してパブリックDMPとは複数社の情報を集約し、複数の媒体で活用できるようにしたもの。複数社の連合だと強いが実際にはfacebookやgoogleなどトップに情報がよっていてそこまで張り合えている感じはしない。。。

GAMの運用代行という立ち位置

上記の図の中に入っていない業界内のプレイヤーでいうとGAMの運用代行会社があってfluctやadstirなどが行っている。GAMの運用を代行する代わりに売上の数割をもらうというビジネスモデル。

ここで気をつけないといけないのがheader biddingの取り扱い。契約によってはGAMの売上の数割なのでheader biddingの売上が彼らの売上対象外になる場合がある。その場合、故意にheader biddingを提案してこない可能性があるので注意した方がいい。

実は後ろで繋がっているADNW

A社のADNWを利用しているのにB社の案件が出るということがある。初見だとなんで?と思うかもしれないけど実はADNW各社は裏で案件のやりとりをしていて複数社の案件が出る。やはり一社だと案件の数が少ない場合があるので複数社でやりとりしているのだ。

これがややこしい話にも繋がっていて不正広告が出た際にどこのものかわかりにくいという状態になったりもする。

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